クラウンメロンの謎に迫る!「クラウン」の名前の由来と誕生の歴史とは?

 

静岡県クラウンメロンは日本が誇る高級メロンとして知られています。その名前には深い意味と歴史が込められており、この記事ではクラウンメロンの名前の由来と誕生の歴史について詳しく解説します。

 

クラウンメロンの名前の由来

 

「クラウン」の意味

 

 

「クラウン」という言葉は英語で「王冠」を意味します。この名前が選ばれた理由は主に以下の点にあります:

 

  • ・メロンの上部に見られる特徴的な網目模様が王冠を思わせること
  • ・最高級品質のメロンであることを表現するため
  • ・メロンの王様としての地位と誇りを示すため

 

マスクメロンの「マスク」は英語の「Musk」に由来し、その芳醇な香りを表現しています。「クラウン」は王冠を意味し、クラウンメロンはマスクメロンの中の王様という意味を持ちます。

 

ブランド名としての確立

クラウンメロンという名前が正式に商標登録されたのは1963年、静岡県温室農業協同組合(通称:クラウンメロン支所)によるものです。静岡県温室農業協同組合は、メロン専門の出荷組合で、MELOXの愛称のもと、複数の支所から組織されています。

 

クラウンメロン支所は、袋井市を中心に3市(袋井・磐田・掛川)、1町(森)の地域の温室組合員を集結し、年間を通じてのメロン専業経営を推進し一貫した生産・販売体制により運営されています。

このブランド名は、次のような特徴を持つメロンにのみ使用が許されています:

 

  • ・厳格な品質基準をクリアしたもの
  • ・組合の認定を受けた生産者によって栽培されたもの
  • ・一定の栽培方法に従って育てられたもの

 

つまり、すべてのマスクメロンがクラウンメロンと呼ばれるわけではなく、外観、内容、糖度等の品質チェックを経て、厳しい検査基準に合格したものだけがクラウンメロンの王冠シールを貼って出荷されています。

 

 

 

 

クラウンメロンの誕生の歴史

 

メロン栽培の始まり

静岡県でのメロン栽培の歴史は以下のように進展してきました:

 

  1. 明治時代初期:外国からマスクメロンの種が日本に導入
  2. 1920年代:静岡県袋井市周辺でメロン栽培が本格的に始まる
  3. 1930年代:温室栽培の技術が発展

 

静岡県袋井市は、約100年前より温室でのメロン栽培に着手し、マスクメロンの生産高日本一を誇るようになりました。当初は露地栽培が中心でしたが、気候条件を安定させ品質を向上させるために、温室栽培への移行が進められました。

 

クラウンメロンブランドの誕生

 

 

クラウンメロンというブランドが正式に誕生したのは、以下のような経緯によるものです:

 

年代出来事意義
1950年代静岡県温室農業協同組合の設立組織的な品質管理の始まり
1963年「クラウンメロン」商標の登録ブランドとしての公式化
1970年代栽培技術の標準化と普及品質の均一化と向上

 

袋井のメロンは「クラウンメロン」として、100年の歳月の中で培われたメロン栽培の技術革新により、その味、香り、食味に関しては他産地・他品種の追随を許さず、日本のみならず、世界で作られている全てのメロンの中で、最高級のメロンとしての評価を得るまでになりました。

 

このブランド化により、それまで各農家が個別に販売していたメロンを、統一された基準のもとで出荷できるようになりました。

 

厳格な品質管理の確立

 

 

クラウンメロンが高級ブランドとして確立された背景には、徹底した品質管理システムがあります:

 

  • 糖度検査
  • 最もグレードの高い「富士」は、網目がきれいで外観にひとつも欠点がなく、糖度が夏場13度以上、冬場14度以上という基準で選定されます
  • ・外観検査
  • 見た目の美しさや大きさ、糖度などを基準に4つの等級「富士」、「山」、「白」、「雪」に選別されます
  • ・栽培プロセスの管理
  • 1本の木でひとつの果実だけを育てる一木一果の栽培法を実施しています

選任された検査員により外観、内容、糖度等の品質チェックを経て、厳しい検査基準に合格したものだけが、クラウンメロンの王冠シールが貼られて出荷されています。このシールには生産者ナンバーが記入されており、どの組合員が栽培したメロンかが分かるようになっています。

 

まとめ:クラウンメロンが受け継ぐ意味と歴史

クラウンメロンについて、ここまで見てきた重要なポイントを整理しましょう:

 

名前の由来

  • 「クラウン」:「王冠」を意味し、最高級品質の象徴として命名されました
  • ・特徴的な網目模様が王冠を思わせることから名付けられました
  • ・1963年に静岡県温室農業協同組合によって正式に商標登録されました

 

誕生の歴史

  • 明治時代初期から始まった外国からのマスクメロン導入が始まりです
  • ・1920年代から静岡県袋井市周辺で本格的な栽培が始まりました
  • ・1950年代に静岡県温室農業協同組合が設立され、組織的品質管理の基盤が構築されました
  • ・1963年に「クラウンメロン」として商標登録され、公式ブランドとして確立しました

 

栽培の特徴

  • 一木一果
  • 1本の木に1個の果実だけを育てる特別な栽培法で、木の全養分を一つの果実に集中させます
  • ・隔離ベッド栽培
  • 栽培床を地面と切り離し、限られた土量の中でメロンを栽培する方法です
  • ・ガラス温室栽培
  • 太陽光線の透過率が高く、光を好むメロンの栽培に適しています

 

品質管理

  • 厳格な検査基準
  • 選任された検査員により外観、内容、糖度等の品質チェックを経て合格したもののみが出荷されます
  • 等級制度
  • 見た目の美しさや大きさ、糖度などを基準に4つの等級に分類され、最高級の「富士」は1000個に1個の割合でしか現れない希少品です
  • 生産者ナンバー
  • 生産者ナンバーが記入されており、どの組合員が栽培したメロンかが分かるシステムになっています

 

クラウンメロンの名前は単なるブランド名ではなく、マスクメロンの中の王様を意味する象徴であり、100年の歳月の中で培われたメロン栽培の技術革新の結晶です。静岡県の恵まれた自然環境と長い伝統によって培われた高い栽培技術によって生み出されるこの特別なメロンは、日本一のおいしさと出荷高を誇る高級フルーツの代表格となっています。

 

情報源:静岡県温室農業協同組合クラウンメロン支所公式サイト(http://www.crown-melon.co.jp/

 

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